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歯科医師の高畑です。
今回は「骨太方針2022」に登場した『国民皆歯科健診』についてのお話です。
急にニュースや新聞等で話題になり困惑された方も多いのではないでしょうか。
実はいきなり登場したわけではなく、原形となる文章は骨太方針 2017からすでに記載があります。
2017 "生涯を通じた歯科健診の充実"
2018 "生涯を通じた歯科健診の充実"
2019 "生涯を通じた歯科健診"
2020 "生涯を通じた歯科健診"
2021 "生涯を通じた切れ目のない歯科健診"
と記載され続け、今年「骨太方針 2022」でこのように変化しました。
2022 "生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討"
"生涯を通じた歯科健診"という部分を言い換えたこと、具体的な検討という部分が新しく追加されたことが特徴ですね。
これだけでは全体のイメージが湧きにくいので日本歯科医師会の会見、ニュース等をみて私なりに内容をざっくりまとめると以下のとおりです。
乳幼児〜高校生まで義務化されている歯科健診が、社会人になると急に途切れる
↓
すると歯周病や虫歯が急増
↓
増えた口腔内細菌が全身に影響し、全身疾患に発展
↓
国民全員の歯を切れ目なくみれば全身疾患を予防できるはず
↓
国民皆歯科健診を検討しよう
こういった流れです。
実際に糖尿病をはじめ誤嚥性肺炎、脳梗塞、心臓病等様々な全身疾患が歯科疾患と関係しています。
つまりこうした全身疾患を未然に防ぐ目的で国民皆歯科健診の導入を検討するようですね。
骨太方針2022の記載どおり、これから具体的に検討されるため現時点ではどこまで義務化するか、いつ始まるか等詳細はまだ決まっていないようです。
これから数年かけて話し合われるようなので、今後の展開を注視しましょう。